
🌍 世界糖尿病デーに考えたい、“気づき”から始める予防
11月14日は「World Diabetes Day(旧:世界糖尿病デー)」です。
これはインスリン発見者・フレデリック・バンティング博士の誕生日にちなみ、1991年に国際糖尿病連合(IDF)と世界保健機関(WHO) が制定しました。
毎年この時期には、世界各地で糖尿病の啓発イベントやブルーライトアップが行われます。
この日をきっかけに、「糖尿病」や「予備群(境界型)」について、改めて考えてみませんか?
近年、日本糖尿病学会では、“糖尿病”という言葉が「甘いものを食べすぎる病気」という誤解を招きやすいため、病気への偏見をなくす目的で “Diabetes(ダイアビーティス)” という呼称の使用を推進しています。
ただし、この記事では読みやすさのために「糖尿病」という言葉で統一します。
糖尿病は、血管や神経に障害を与える
糖尿病は、血糖値を調整するインスリンの働きがうまくいかなくなることで、慢性的に血糖が高くなる病気です。
インスリンは膵臓(すいぞう)から分泌される唯一の血糖降下ホルモンで、体内の血糖値を一定に保つ重要な役割を担っています。
高血糖状態が続くと、少しずつ血管や神経に障害を与えます。
初期のうちは自覚症状がほとんどありませんが、重篤な合併症を防ぐためには早期発見・早期治療が大切です。
インスリンと血糖の関係
1. インスリンって何をしているの?
私たちが食事をすると、栄養の一部は「糖(ブドウ糖)」になって腸から吸収され、血液を通って全身に運ばれます。
この糖を細胞に取り込む“鍵”となるのがインスリンです。
インスリンは、細胞のドアを開ける鍵のような働きをしており、糖を細胞内に取り込み、エネルギーとして使えるようにします。
インスリンがしっかり働くことで、血糖値はちょうどよく保たれています。
2. インスリンが働かないとは?
- インスリン分泌能低下:膵臓の機能が低下し、インスリンを十分に作れない状態。
- インスリン抵抗性:インスリンは出ているが、細胞側でうまく作用できない状態。
どちらのタイプでも、血液中の糖が体の細胞に取り込まれず、血糖値が高くなる(高血糖)原因になります。
早めに気づきたいサイン
糖尿病の初期には、次のような変化が現れることがあります。
| サイン | 理由 |
| のどの渇き・水をよく飲む | 高血糖により体が水分を失いやすくなるため |
| 尿の回数が増える | 体が余分な糖を尿として排出しようとするため |
| 疲れやすい・体がだるい | 糖をうまくエネルギーとして使えないため |
| 食欲があるのに体重が減る | 糖を取り込めず、脂肪や筋肉を分解してしまうため |
高血糖が続くと、意識障害(高血糖性昏睡)を起こすこともあります。
症状の出方は人それぞれで、無症状のまま進行し、重篤な合併症を起こしている人も少なくありません。
体調不良や違和感が続く場合は、早めの受診をおすすめします。
まとめ
糖尿病は、「気づき」が予防の第一歩。
のどの渇きや疲れやすさなど、小さなサインを見逃さず、生活を少しずつ整えていくことが未来の健康につながります。
次回は、「糖尿病の種類」についてお伝えします🕊️

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